「〜って言ってた」は’say’じゃない?英語っぽい「言う」の言い方


「英語のスピーキングを練習していると、「文法は合っているはずなのに、なんだか不自然」と感じることはありませんか?その原因の多くは、日本語で言いたいことをそのまま英語に置き換えようとすることにあります。
日本語には日本語なりの発想の仕方があり、それを一語一語そのまま英訳しても、英語で実際に使う自然な表現にはならないことが多いのです。これは単語や文法のミスではなく、

「言い方そのものの違い」

から生まれるズレなので、単語帳をいくら覚えても気づきにくい落とし穴なんですね。

今日はその代表例の一つとして、「言う」という日本語を取り上げたいと思います。
日本語で「〜って言ってた」という表現を見ると、反射的に “said” を使いたくなりませんか?
「彼女、旅行に行きたいって言ってた」 → “She said she wanted to travel.”
文法的には間違っていません。でももっと自然に話すとしたら…

この「言う=say」という思い込みから抜け出すための考え方を紹介します。

  1. “say”を使う時
  2. パターン別自然な動詞「言う」
  3. どうしてこの違いが大事?

まず大前提として、”say” は本来、

セリフ・言葉・音を口から発する

いう動作そのものに焦点を当てた動詞です。
つまり、「何と発言したか」という発言内容そのものを伝えたいときに使います。

  • He said, “I’m tired.”(彼は「疲れた」と言った)
  • The sign says “No parking.”(看板には「駐車禁止」と書いてある)
  • She didn’t say anything.(彼女は何も言わなかった)

このように発言の中身(セリフ)そのものを引用したり、「何かを口にした」という行為自体に注目するときは “say” がぴったりですね。なので登場人物がセリフを言いながら物語が進む、本の中では多用されます。

一方で日本語の「言う」は非常に守備範囲が広い動詞です。
「言う」を使った日本語の文は、実際には次のような様々な意味を含んでいることがあります。

  1. 何かをしたいと思っている(希望・意志)
  2. 何かをしてほしいと頼んでいる(依頼)
  3. 何かをするように指示している(命令・指示)
  4. 何かをした方がいいと勧めている(提案・助言)

日本語では、これら全部を「言う」で表現できてしまいますが、英語では

それぞれに対応する専用の動詞

があるのです。

本人の希望や意志を伝えている場合は、”say” ではなく “want” を使いましょう。

  • 彼女は新しい仕事を探したいって言ってた。 → She wants to look for a new job.
  • 彼は来月引っ越したいって言ってた。 → He wants to move next month.

“She said she wanted to…” でも通じますが、”said”は実はあまり必要ではありません。なぜならば、
①自分ではない他の人を主語にして「〜したい(want)」を使うということは、その人がやりたいと思っていることをその人自身が口から発したからわかったわけなので、wantの中にすでにその人がそう言ったという意味が汲み取れるから。
②要点は「彼女がしたいと思っていること」なので、”wants” の方が直接的でスッキリします。

誰かに何かをお願いしたり頼んだ場合は “ask” です。

  • 母が窓を閉めておいてって言ってた。 → My mom asked me to close the window.
  • 先生が宿題を提出しておいてって言ってた。 → The teacher asked us to hand in our homework.

ここでのポイントは、「頼まれた・依頼された」というニュアンスを “ask … to do” の形で表現できることです。”say” ではこの「依頼された」という関係性が出てきません。

こちらは「依頼」というよりもう少し強めの「指示・命令」のニュアンスです。
この場合はが “tell” がいいですね。形は上記の”ask”と同じく、 “tell … to do” を使いましょう。

・医者がもっと運動しろって言ってた。 → The doctor told me to exercise more.
・上司が明日までに終わらせろって言ってた。 → My boss told me to finish it by tomorrow.

そしてアドバイスや提案の場合は、 “suggest” や “advise” が自然です。

  • 友達がこのレストランに行った方がいいって言ってた。 → My friend suggested going to this restaurant.
  • カウンセラーがもっと休んだ方がいいって言ってた。 → The counsellor advised me to rest more.

“suggest” は “suggest doing” または “suggest that …” の形、
“advise” は “advise someone to do” の形を取ることが多いので、形の違いにも注意してくださいね。

CELPIP や IELTS といった英語の試験でのスピーキング・ライティングをはじめ、英語で説明するときには、

「誰が」「誰に」「何を」伝えたのかという関係性

を正確に表現できるかどうかが評価されます。
すべてを “said” でまとめてしまうと、文法的には間違っていなくても内容が曖昧になり、試験ではスコアがあまり伸びず、会話では相手にぼんやりとした伝わっていないことがあるのです。

逆に、want / ask / tell / suggest / advise を状況に応じて使い分けられるとそれだけで表現力がぐっと上がり、「この人は語彙を意味に基づいて選べている」という印象を与えることができます。

次の日本語を、”say” を使わずに英訳してみてください。

  1. 彼が手伝ってほしいって言ってた。
  2. 彼女がもっと野菜を食べた方がいいって言ってた。
  3. 先生が静かにしろって言ってた。
  4. 友達が来週会いたいって言ってた。

答えの例:
1. He asked me to help him.
2. She suggested eating more vegetables.
3. The teacher told us to be quiet.
4. My friend wants to see me next week.)

より自然で分かりやすい英語での発話を目指して。
頑張ってくださいね!


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