スポーツに関連する英語はそのまま日本語になっているものが多いので、知っているつもりになってしまいますが、実は日本語の感覚とズレていて「思ってたのと違う!」と驚いてしまうものもあります。例えば「pool」と聞いて「(泳ぐ)スイミングプール」を思い浮かべたら、実は「ビリヤード」のことだったとか…。
今回は、英語学習者が特に混乱しやすい「趣味・スポーツにまつわる表現」の中から、日本語と意味が異なる5つの英語表現を取り上げ、会話での誤解を防ぐための使い方や例文をたっぷりご紹介します。
pool
pool=ビリヤード
昔々、カナダの大学の寮の友達に、”Wanna play pool?”と誘われたことがありました。
当時はpoolの意味を「スイミングプール」しか知らなかったので、”PLAY pool”って変な言い方だなと思いつつも、”Sorry, I don’t have a swimsuite.”と丁寧にお断りをすると、みんなに大爆笑されたことがあります。
poolはビリヤードのことも意味するんです!!
カナダの大学の寮には「レクリエーションルーム」といった部屋があり、寮生なら誰でも使用可能で、時々夕食の後や週末にポットラック(食べ物持ち寄り)のパーティーや、誕生日パーティー、ピアノを弾いたり、ダンスをしたり…とみんな使用していました。そこにビリヤード台があったのです。英語で “pool” と聞くと、「水の入ったプール(swimming pool)」を思い浮かべがちですが、”play pool” とは「ビリヤードをする」という意味だったんですね。どうりでplayって言うわけだ…!
アメリカではビリヤード全般を “pool” と呼ぶことが多く、”billiards” より口語的です。
例文
- “Wanna play pool after work?”
(仕事のあと、ビリヤードでもやらない?)→もうまさにこれを言われて大勘違いをしてしまいました! - “He’s really good at pool. He won every game last night.”
(彼はビリヤードがとても上手。昨日は全部勝ったよ。)
football
football vs soccer
北米英語で footballは「アメリカンフットボール」のこと。
一方イギリス英語では、footballは「サッカー」のこと。ややこしいですね・・・!
なおカナダでは上記北米英語にならって、いわゆるサッカーのことはsoccerと言われることが多いです。
FOOTBALL CANADAのページを見ると、カナダでfootballと言うと、ヘルメットを被った選手がレモン型のボールをもって行うスポーツのことを指していることがわかります。
発音注意:soccer
中学や高校でサッカー部だった日本人の方は多く、英語で自己紹介をするときにもよく “I play soccer.”という文を聞きます。
このsoccerという単語、大変よく使われるのですが発音注意⚠️です!!
s/o/ccerの/ / の部分は/ɑː/という記号の音なのですが、
多くの日本人が日本語そのままで発音するためsucker(騙されやすい人・ちょろい人)に聞こえがちです。
soccer /sɑː.kɚ/
sucker /sʌkɚ/
私は「サッカー」って言ったよ!と思っているのは自分だけかもしれません・・・。
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track
track≠音楽のトラック
日本語では音楽で曲のことを「トラック」と言ったりしますが、英語でスポーツ用語だと「陸上競技のトラックコース」のこと。ちなみに「陸上」はtrack and fieldと言います。そして陸上選手はathleteと言うことが多いですね。
なお英語のtrackという単語自体は、スポーツ用語以外だと「跡をつける」「追跡する」という動詞、もしくは「(地面につけられた)跡、足跡」といった意味がパッと思いつく意味です。郵便物を送ったり、送られている郵便物を待っている際に、”track a package”というと、その郵便物が今どこにあるかを追跡できるシステムのことですね。追跡できる郵便物には “tracking number”がついてくるので、それを打ち込めば今どこにあるかがわかるようになっています。
track? truck?
さて、「トラック」と日本語で書いてしまうと車のトラックと同じ?と思ってしまいがちですが、
スペルも発音も違います!!
陸上のトラックはtrack(このブログで話している単語ですね)
車のトラックはtruck
スペルだけ気にしていると、実際に話すときに日本語話者はみんな車のトラックと言ってしまいがちです。track-truckの音源を下につけますので、ぜひ真似っこしてみて下さい。
スポーツする動詞は “play”? “do”?
”play”と”do”の正しい使い分け
英語で趣味やスポーツを表現するとき日本語の「〜をする」にあたる動詞として、”play” を何にでも使ってしまいがちですが、英語では実は対象によってplayを使わないときがあることをご存知ですか?
”play”を使う時:主に団体競技性のあるスポーツや、楽器
- play tennis(テニスをする)
- play basketball(バスケットボールをする)
- play chess(チェスをする)
- play the guitar(ギターを弾く)
”do”を使う時:主に個人の動きが中心のスポーツや、活動
- do yoga(ヨガをする)
- do martial arts(武道をする)
- do gymnastics(体操をする)
- do pilates(ピラティスをする)
”go”を伴う時:主に移動や反復動作を含むアクティビティ
- go swimming(泳ぎに行く)
- go jogging(ジョギングする)
- go hiking(ハイキングに行く)
- go skating(スケートをしに行く)
❌間違った例
- “play yoga” → ✖ 個人の動きなので正解は “I do yoga every morning.”
- “do soccer” → ✖ 団体スポーツなので正解は “I play soccer with my friends.”
- “play reading” → ✖ 正解は “I enjoy reading on weekends.”
「(スポーツを)する」= “play”と習ってしまった私たちはどうしてもスポーツにplayを使いがちですが、自然な英語をスムーズに話せるようになりたい方はぜひ、「チャンク学習法」を取り入れてみてください。
「チャンク学習法」とは一言で言うと、単語ひとつではなくそれを含んだ3〜5語の表現を一気に覚えこむ練習法です。最初から、”do yoga”で覚えておくと、”play yoga”という単語の並びは出てこなくなります。考えなくても、翻訳しなくても、”do yoga”が当たり前として頭の中に入っている・・・そういった練習ほうに切り替えれば、スピーキングはぐんっと伸びていくわけです。
チャンク学習法の説明と練習方法に関して、詳しくはコチラ『知らないと損!?瞬発力を劇的にアップさせる練習法』をお読みくださいね。