今日は、私自身が受け持つすべての英語レッスンで使っており、多くの生徒さんが高速で単語量を増やしているだけではなくスピーキング力アップにも繋げている学習ツールのご紹介です。
Oxford Picture Dictionary(OPD)はその名の通り全ページ単語一つひとつに絵がついたビジュアル辞書です。語彙学習だけでなくスピーキング力向上にも使えるこのお役立ちツールを最大限に活用して、英語で自分のことを話せる力を育てる方法を紹介します。
Oxford Picture Dictionary (OPD):「見て」覚える新しい感覚の辞書
Oxford Picture Dictionary(オックスフォード・ピクチャー・ディクショナリー)は他の辞書と一線を画すのはなぜかというと、文字だけでは理解しにくい語彙や概念を、視覚的に捉えることで、直感的に学べるから。この辞書の最大の強みは本の題目にもあるように「絵(picture)」と「単語」を強く結びつけているからです。
Oxford Picture Dictionaryの特徴
Oxford Picture Dictionary(以下OPD)は、名前の通り「絵で学ぶ辞書」です。見開きごとにテーマが設定されており、例えば「家の中」「スーパーマーケット」「病院」「オフィス」など、生活に密着したテーマごとに単語がまとめられていてそれぞれにイラストが添えられているので状況がパッと頭に浮かびやすいのです。
またOPDは単に語彙を羅列するのではなく、「文脈の中で語彙を学ぶ」ことを重視しています。どういった状況なのかもビジュアル的に一目瞭然なので、どういった状況で、誰に対して、どんな表情で使うのかーーなども感覚で体得することができます。このように使い方を視覚的に示してくれるので、語彙の定着率が高く、実際の会話にもスムーズに応用できるのです。
他の辞書とはここが違う!
一般的な英英辞典や英和辞典は、言葉の意味や用法を【文字で説明】します。
たとえば「stove(コンロ)」という単語に対して、英英辞典ならば “a piece of equipment that you cook food on” のような説明が加えられますが、多くの学習者に取って定義の英語自体が難解に感じられることもあります。
一方、OPDではstoveの絵が描かれ、その周囲にはフライパンや鍋、火を使う様子など、関連語や使用シーンも同時に視覚的に示されます。言葉の意味が頭の中でイメージと直結し、暗記よりも理解が重視される学習が可能になるのです。
OPDの最大の優位点は「画像と言葉の一体化」です。日本の英語教育ではあまり注目されてこなかった点ではないでしょうか。ところが実際に英語を話す時には、目に見たものを英語で言ったり、頭の中に描いた映像を言うわけですから、画像と言葉を一緒に学習することは、後々スピーキング力向上の役に立つわけです。
日本人英語学習者にOPDをすすめる理由
私が特に日本人が英語を学ぶときにつまずきやすいポイントがいくつかあります。例えば、文脈のない単語だけの丸暗記。実際の使い方がわからないフレーズの丸暗記。発音と綴りの一致が難しい…などです。OPDはこういった悩みに対応してくれるので、私は生徒さんにもOPDを一冊ご購入いただき、レッスンと宿題で必ず取り入れています。
理由1)文脈で学べるから、忘れにくい
日本の英語教育では単語単体で覚えることが多いですが、OPDは「場面」を見ながら単語を覚えるので記憶に残りやすく、また、どういった状況で使ったら良いのかわかるので、自分なりに応用もききます。
理由2)視覚で直感的に理解できる
英単語を覚えるときにほとんど皆さん「日本語の対訳(意味)」とセットで覚えますが、それだと、
・スピーキングの時に頭の中で一度翻訳してしまうため、パッと出てきにくい
・物を見てすぐに描写する時も、文字が頭の中に浮かぶので瞬発スピードが遅い
・同じもの/ことでも英語と日本語で異なる言い方をする時に、第一言語の日本語に引っ張られて正しい英単語が出にくい
という弊害がどうしても付きまといます。
ところがOPDは英語を日本語に訳すのではなく、絵で理解するので、英語を「英語のまま」身につける力が自然と育ちます。これが、正しいリスニング力や、素早いスピーキング力にもつながってくるんですね。
OPDを使った学習方法
絵とセットで覚えることで単語が記憶に残りやすくなり、さらに日本語訳がなくても意味を直感的に理解できるので、英語脳を育てることができます。また実生活に基づいた表現ばかりなので、いわゆる教科書では紹介されない単語も豊富です。キッズ英語ではよく見られる方法かもしれませんが、中高生以上・成人学習者の方にこそ、オススメしたい方法なのです。
効果的な単語の覚え方
(1)絵と音をセットで覚える
単語は「絵+英語+音声」で覚えるのがベストです。まずは絵を見て単語を見ずに「これは何かな?」と考え、答えを確認しながら発音を聞いて真似します。耳と口を同時に使うことで、リスニングとスピーキングが同時に鍛えられます。
OPD専用の音声はコチラからダウンロードできます。
また関連したビデオもたくさんあるので、そのページで覚えた単語が会話でどう使われるのかを確認しながらリスニングの練習もできますよ。
(2)音読+シャドーイング
例文があるページでは、まずシャドーイング(音声のすぐあとを追いかけて発音)します。その時はなるべく文章は「見ないように」しましょう。耳から入ってきた音をできるだけそのまま完全コピーすることを意識しましょう。これにより、イントネーション、リズム、スピード感が自然に身につきます。
(3)自分に関係づけて使ってみる
例えば「食べ物」のページを学んだら、「I eat rice every day.」など自分の生活に関係した文を作りましょう。単語を覚えるだけでなく、「自分のことを英語で話す力」が身につきますよ。
OPDは自分のことを話す練習帳
このようにOPDはただの単語帳ではなく、自分の英語を育てる道具として使い勝手がいいんですね。「これは何?」と知識を増やすだけでなく、「私はこう思う」「私はこうしている」と自分のことを英語で言えるようになるのがゴールです。毎日少しずつでもいいので、OPDとともに声を出し、書いて、話す練習を続けてみてください。数ヶ月後には、驚くほど英語で自分のことを話せるようになっているはずです。
オススメ最初の一歩
まずはOPDの「Daily Activities(日常の活動)」のページから始めてみましょう。あなたの毎日の生活を、英語で言ってみることから、スピーキング力アップの第一歩が始まりますよ。