/z/音の発音を極める!単語の真ん中に出てきても楽勝


英語を学ぶ日本語話者にとって苦手な発音の一つが「visit」の中にある /z/ の音です。この音をうまく発音できないと、「visit」が「ビスィット」や「ヴィスィット」のように聞こえてしまい、ネイティブスピーカーに正確に伝わらない可能性があります。さらに難しいのが/z/が単語の真ん中に来たとき。今日は/zと日本語の違いをわかりやすく解読し、さらに単語の真ん中に来たときの発音の仕方を説明いたします。

日本語の「ざじずぜぞ」と/z/音の違い

日本語の「ざじずぜぞ」は摩擦音が弱い

日本語では「ざ=za」と【母音とセットで発音】されるため/z/自体の摩擦の持続が短く、音として目立ちにくいです。一方英語の/z/はしっかりとした摩擦音で、長く強く、明瞭に発音されます。

英語では /s/(無声音)と /z/(有声音)は意味を区別する重要なペアですが、日本語ではこの区別が弱いため、意識していないとどちらも同じように発音されがちです。

/z/ は「有声音」と呼ばれ、発音時に喉が震えます。これは日本語ではあまり意識されない要素のため、無意識のうちに無声音/s/で代用してしまうことが多いのです。/z/の音をマスターするには、まず /s/ との違いをしっかり認識することが大切です。

  • 「sip(すする)」と「zip(ファスナー)」を発音してみてください。
  • 「sip」は/s/音、「zip」は/z/音です。
  • 「zip」を発音するときに喉に手を当ててみると、声帯が震えているのがわかるはずです。これが有声音の特徴です。
  • 逆に「sip」の/s/音では、喉の振動がありません。音の出し方は似ていますが、喉を震わせるか否かで大きな違いになります。

有声音/z/の効果的な練習方法

(1) 舌を上の歯のすぐ後ろから動かないように強く待機

舌先を上の歯のすぐ後ろに待機させます。日本語で「ざじずぜぞ」と言う時よりも、舌をもう少し前に置く感覚です。そして何よりも大切なのが、そこから舌が絶対に動かないように、しっかりと力を入れて据え置くことです。ここにものすごい量の息を当てて/z/音を出すことになるのですが、息を当てると舌が負けてしまって後ろや下に下がりがちです。下がってしまうと、しっかりとした/z/音が聞こえにくくなります。
息と舌の筋肉の攻防・・・これぞまさに、群衆が押し寄せる扉を必死に守る兵士、といったイメージです。息に負けてしまわないよう、舌をしっかり上で待機させましょう。

(2) 喉に手を当てて「震え」を確認&対になる単語をペアで練習

喉に手を当て、「zzz…」と声を出してみましょう。声帯が震える感覚がつかめたらそれが/z/の正しい感覚です。一方「sss…」と音を出してみて違いを確認しましょう。今度は喉が震えないはずです。
次に、「sip / zip」「bus / buzz」「place / plays」など、/s/と/z/の違いがわかりやすいペアを繰り返し練習します。

(3) シャドーイングで実践練習

ネイティブの音源を聴きながら、visit, zoo, zero musicなど/z音を含む単語を声に出して真似しましょう。

(4) 録音して聞き直す

自分の発音を録音し、音源と聞き比べることも大切です。自分の/z/音が弱いなと感じた場合は、上記(1)で舌の筋肉が負けてしまっているか、息の量が少ないか、どちらかだと思います。意識しながら何度も練習してみましょう。

★類似音に注意!

/z/の音は、以下のような他の子音と間違いやすいので注意が必要です。

  • /ʒ/:「measure(メジャー)」に含まれる柔らかい音。/z/よりも口の奥で響きます。
  • /dʒ/:「judge(裁判官)」のように、/d/が混ざった音。/z/よりも破裂感があります。

これらの音と混同すると、まったく別の単語に聞こえてしまうため、発音の違いを意識しておきましょう。

/z/が単語の真ん中にある場合

単語の真ん中の/z/がさらに難しい理由

ただでさえ難し目の音/z/が、visitなど単語の途中に出てくるとさらに難しいのは、

【位置的に目立たないので意識しにくい】
単語の最初や最後の音は比較的意識しながら出せるのですが、真ん中の音はつい速く通り過ぎてしまうため、発音に気を配りにくくなります。
【周囲の音に埋もれて弱まる】
例えばvisitの場合、前後に/vi/という母音+子音が続くため、/z/の摩擦音が短くなりがちで弱く聞こえるリスクがあります。
【似た音との混同】
特に/s/と混同して「ヴィスィット」のように発音すると、「visit」が「viscid(粘着性の)」や「visa(ビザ)」といった別の単語に聞こえてしまう可能性もあります。

練習のためのたった一つのルール

visit, musicなど、単語のちょうど真ん中に/z/がある場合は
【とにかく急がず意識的にスピードを落として練習する】
こと。これのみです。
英語で話すことに慣れている方は特に、ピンポイントでゆっくり話すようにして、確実に/z/が出せていることをご自分の耳で確認してください。

🗒️ 練習用単語リスト

🔹 最初・真ん中・最後の位置別
最初ーzip, zoo, zero, zone
真ん中ーvisit, music, cousin, busy
最後ーbuzz, jazz, quiz, rose

🧪 練習例文(シャドーイング用)

  1. “I visited the zoo yesterday.”
     → 「visit」と「zoo」で/z/を2回練習できます。
  2. “She is busy with music practice.”
     → 「busy」「music」と2つの/z/を意識。
  3. “He gave me a quiz about jazz history.”
     → 「quiz」「jazz」で語尾の/z/を確認。

まとめ

英語の/z/音は、日本語話者にとって「慣れていない有声音」であり、特に単語の真ん中にあると発音が難しくなります。しかし、/s/との違いを意識すること、喉の振動を感じること、そして繰り返し練習することで、確実に上達できます。

少しずつ/z/の感覚をつかんで、よりクリアで通じる英語を目指しましょう!


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