英語では日本語と違って、複数形の時にはsをつけないといけませんね。先日日本の英語の先生と話していて、複数形のsのルールがあいまいな学習者が多いと聞いたので、こちらにまとめてみました。みなさんは正しく使えていましたか??
基本のsの付け方
単純に-sをつける
最も基本的な形は皆さんもご存知の通り、【名詞の後ろに単純にsをつける】です。
単数形 | 複数形 |
---|---|
cat(猫) | cats |
dog(犬) | dogs |
pen(ペン) | pens |
語尾がs, x, ch, sh, oの時は-esをつける
次は語尾に注意です。
語尾がs, x, ch, sh, oの時は-sではなく-esをつけます。なぜかと言うと、-sだけだと大変発音しにくくなるからなんです。
例えば “bus”に-sだけつけてしまうと “*busss”となります。
また”watch”だと”*watchs”。
単語の最後の部分に子音が重なりすぎて、どうやって発音したら良いのやら?ってなりますね。
だから”e”も一緒にくっつけて、”buss[es]” “watch[es]”として読みやすくしているんです。
単数形 | 複数形 |
---|---|
bus(バス) | buses |
box(箱) | boxes |
watch(時計) | watches |
dish(皿) | dishes |
tomato(トマト) | tomatoes(※) |
注意:「o」で終わる語の一部(piano → pianos, photo → photosなど)は「-s」だけでOKな単語(多くが外国語が起源の言葉)もあります。こればかりは語源や慣用で例外があるため、覚えるしかないんですね…。
piano
photo
pro
kimono
語尾が「子音+y」の時は【yをiに変えて-es】
これも読み方ベースですよね。
“*babys”と書くよりも”babies”と書いたほうが、発音しやすい感じがしませんか??
「yをiに変えて〜」というやり方はあくまでもその前に「子音」がきた時のみ。
母音+yの時はそのまま-sをつけますよ(boy→boys, key→keys)。
単数形 | 複数形 |
---|---|
baby(赤ちゃん) | babies |
city(都市) | cities |
複数形のsの発音は3種類
複数形の「-s」の発音には 次の3つのパターン があります。語尾の音に注目しましょう。
①普通の/s/
無声音(p, k, f, θ)で終わる単語の後につけると、はっきりとした/s/音になります。
ただし/t/の後は「ツ」っぽい音になりますね。
単語 | 発音記号 |
---|---|
cats | /kæts/ |
cups | /kʌps/ |
books | /bʊks/ |
②/z/音になる時
一方、有声音(b, d, g, l, m, n, r, 母音)で終わる語につくと、複数形の-sは/z/の音で発音します。
単語 | 発音記号 |
---|---|
dogs | /dɔːgz/ |
pens | /penz/ |
bags | /bæɡz/ |
③/iz/になる時
語尾が ‘-es’ ‘-shes’ ‘-ches’の場合、/iz/となって/i/音が増えます。
単語 | 発音記号 |
---|---|
buses | /ˈbʌsɪz/ |
dishes | /ˈdɪʃɪz/ |
watches | /ˈwɑːtʃɪz/ |
間違いやすい単語
語尾が/f/の時、【fをvに変えて-es】
knife → knives(ナイフ)
wife → wives(妻)
leaf → leaves(葉っぱ)
life → lives(命)
全く形が変わる単語
child → children(子ども)
man → men(男の人)
woman → women(女の人)
mouse → mice(ネズミ)
tooth → teeth(歯)
foot → feet(足)
goose → geese(雁、ガチョウ)
※これらの単語は複数形をそのまま覚えることが多いですよね。スピーキングの時に思わず “children”にさらに-sをつけて”*childrens”と言ってしまう人も多いので気をつけましょう。”children”だけで複数形の名詞なので、”Children are playing in the park.”となります。
服を表すclothesの単数形ってある?
「clothes」は本来「衣服」を表す単語で複数形で使います。発音は/kloʊðz/となります。
服を表す単数は「a piece of clothing」や「a garment」と表現したり、もしくはもっと具体的に「a shirt」「a skirt」ということの方が多いですね。
ちなみに「cloth」という単語は「布」という意味になってしまい、「服」の単数形ではありません。
例外中の例外!
これは高校以上の英語で出てくることになりますが、下記のような単語はこんなふうなルールで複数形に変わるんです。
単複同形
「単複同形」とは、単数形も複数形も同じ形で変わらない!という珍しい単語です。
その多くが動物の名前なんですね。それも、「群れでいるような動物」が多いことがわかります。
bison(バイソン)
carp(鯉)
cod(鱈)
deer(鹿)
moose(ヘラジカ)
fish(魚)
salmon(鮭)
sheep(羊)
※ただし種類を数える場合など状況によってはfish → fishesと複数形になることもあり、どちらも正しいと言えますね。
他にも、
series(シリーズ)
species(種族)
といった単語も、単数・複数で変化しません。
最後の-isが-esに変わる
crisis → crises(危機)
axis → axes(軸)
thesis → theses(論文)
parenthesis → parentheses(括弧)
最後の-umが-aに変わる
curriculum → curricula(カリキュラム)
datum → data(データ)
medium → media(メディア)
referendum → referenda(国民投票)
stratum → strata(地層、層)
※これらの単語の多くが、実は「複数形」の方がよく知られているというものもありますね。
最後の-usが-iに変わる
cactus → cacti
alumnus → alumni
fungus → fungi
日本語から来た言葉
日本語がそのまま英語になった単語の場合、複数形は後ろに-sをつけてもいいのですが、単複同形の場合が多いです。
kimono
sushi
ninja
まだまだ細かいルールはありますが、大きくは-sか-esをつける、発音注意、そして形が変わる単語は一つひとつ覚えていくしかないんですね。英語を話せるようになりたいという方は必ず、複数形の単語を正しい発音で読む練習もしましょうね。
(参考:Wikipedia–English Plurals)