覚えた単語をスピーキングで効果的に活用する方法


探す・見つける・声に出す

前回こちらの記事で、「覚えたはずなのにスピーキングで単語が使えないのはなぜ?」について書かせていただきました。今回はその続きで、スピーキングで使えるような単語の覚え方を、今日はニュース記事を使って実際にチャレンジしてみたいと思います。
私の単語の教え方ではいつも、【スピード】と【リピート】を重視します。
基本は、【探す→見つける→声に出す→声に出す→声に出す】です。
それでは始めましょう!

探す


カナダの北部の都市では、特に冬の間オーロラを見ることができます。ところがこの夏、バンクーバーでも見れたという記事を使いますね。この中に以下の意味を持つ単語・表現があります。それをまずは【探しながら】一度読んでみましょう。
見つけてもらいたいのは次の意味を持つ言葉です。

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1. 驚かせる
2. 夜型の人
3. 夜更かしをする
4. (画像・映像として)とらえる
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それでは読んでみましょう。時間は1分です。

Rare summer aurora dazzles lucky Vancouver night owls

Some lucky Metro Vancouverites who stayed up late Sunday night were able to capture the Northern Lights hovering over the North Shore mountains.
Auroras can sometimes be seen from Vancouver, but they’re much more likely in the winter months.

見つける

いかがでしたか、見つかりましたか?
それでは次に【見つける】作業に入りましょう。答え合わせです。

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1. 驚かせる
dazzle
:この単語はもともとキラキラとした光で目を眩ませる、という意味がありますが、ここでは「オーロラの光で驚かせた」くらいの意味になります。つまり、何かキラキラしたもの(光やドレスなど)でみんなを「お〜〜綺麗!」と驚かせたい時には “surprise”ではなく”dazzle”を使えてしまうんですね。

2. 夜型の人
a night owl
:夜のふくろう、という意味で、夜型人間のことを指します。夜が強くて朝が弱い人は、strongやweakを使うのではなく、”I’m a night owl.”と言えますね。

3. 夜更かしをする
stay up late
: “stay up”だけ覚えていると、「遅くまで夜更かししたんだよね」と言う時に “I stayed up UNTIL late”と言ってしまいがちです。なので “stay up late”で遅くまで夜更かしをする、と覚えておくと、スピーキングの時に「この後どうやってlateをくっつけるんだっけ…?」と考える負担がなくなります。ただ、「午前1時まで夜更かししたんだ」など特定の時間をつける時は “I stayed up until 1 am last night.”と、untilが必要なんですね。


4. (画像・映像として)とらえる
capture
:捕まえる、という意味が有名かもしれませんが、画像としてその瞬間をとらえる、という意味で使われています。記事内では、オーロラを目の前に広がるイメージとしてとらえた、という意味で使われています。なので例えば、「この芸術家は被写体の特徴をよくとらえているね」という時には “draw”ではなく”capture”を使うと、よりニュアンスがあがりますね。

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声に出す

それでは次は【声に出す】のステップです。
dazzle
night owl
stay up late
capture
それぞれの発音を辞書で調べながら、何度も声に出してみましょう。ここで大切な点は次の2点です。

1)できるだけわかりやすい発音で定着させる

IPAを読める方はそれを頼りに、もしくは、辞書の音声を流しながらできるだけ音を真似てみましょう。これにより、スピーキングで使った時に相手に伝わりやすくなります。

2)意味を映像化しながら声に出す
声に出して読みながら、必ずその意味を頭の中で映像として出してください。例えばdazzleだったら、スパンコールでキラキラしたドレスを着た人が歩いていて、周りの人が「わぁー、まぶしくて素敵!」と言っているような映像とか。言葉とその意味の映像を、きちんと結び付けておきましょう。これにより、英語を話していて頭がパンクしそうな時でも、そのイメージが頭に浮かんだらこの言葉が自動的に出てきやすくなります。

この後は、自分の中に定着している感覚ができるまで、この【(発音とイメージに気をつけながら)声に出す】を何度か繰り返していきます。

スピードアップ

最初に、私が単語を導入する時には【スピード】と【リピート】を重視すると買いたのですが、最後が【スピード】の登場です。今覚えた単語・表現が、スピーディに出てくるかを簡単にテストしてみましょう。
これから私が意味を次々と出していくので、対応する英語の単語・表現を1秒以内に声に出してみてください。それではいきますよ。


(画像・映像として)とらえる




驚かせる




夜更かしをする




夜型の人



いかがでしたか?全問正解できましたか?

応用練習

ではここからは、本当にこのままスピーキングに生かしたいと思っておられる方用の練習です。
今日覚えた表現を使って、簡単な作文をしてみましょう。本来なら、ご自分が使いそうな文章を作って溜め置きしておくのが一番なのですが、今回は私が文章を出すので、それを素早く英語で言ってみてくださいね。その際に注意したいのが、「先ほど落とし込んだわかりやすい発音を心がける」ことです。焦って言うのではなく、ゆっくりでいいので、なるべく途中で途切れないような発話を心がけてください。

それではいきますよ。


「昨晩は午前2時まで夜更かししたんだよね」





「私は夜型人間じゃないから、きつかったわ」





「いつもは着ないようなドレスで、彼をびっくりさせたいのよ」




「そのハロウィンコスチューム、本物をよくとらえてるわ」






いかがでしたでしょうか?覚えた表現が、思ったよりもパッと出てきたな、と思えたらこのやり方で覚えた表現が既に4つ、スピーキングで使えるようになっていますね。


このように、単語導入の時に徹底しているのは、
1. ボキャブラリーは目で見てわかっただけでは、使えるほど覚えられていないことが多い
2. 英語で読んだり聞いたりする時は、基本的にすべての内容をできる限り覚える
3. 覚えた表現を、すぐに文章に入れ込んでスピーディに英語で言ってみる

ということです。これを私は20年ほど続けています。多くの生徒さんが爆発的にボキャブラリーの数を増やし、会話でも少しずつですが出せるようになりました。

練習の最後をしめくくるのは…!

そしてもしあと1点追加できるとしたら、
4. それを自分の意見の中に入れ込み、発表をしたいですね。

ニュース記事の1パラグラフからだけでも、練習できることはたくさんありますね。インターネットで記事がどんどん手に入る便利な時代です。みなさんもぜひ、継続練習してみてくださいね。

(本日用いた記事は、以下のサイトから引用しました:https://dailyhive.com/vancouver/northern-lights-aurora-summer)

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