海外留学は英語を勉強するだけでしょ?と思っていませんか?10代でのカナダへの高校留学・大学留学では、その後の人生の選択や考え方に大きな影響を与える、目には見えない大切なことを学べる絶好のチャンスって知っていましたか?
この記事では、特にカナダ西海岸を例にして、「カナダのダイバーシティ(多様性)」から日本が学べることを、高校生や大学生の皆さんにもわかりやすく3つ紹介します。留学やワーホリ、旅行に行きたい人にもきっと参考になるはずです!
異文化って“珍しい”ことじゃない:カナダの学校での当たり前
カナダでは学校の中がすでに「世界」
カナダは移民の多い国として知られていて、特にバンクーバーなどの大都市には、アジア、ヨーロッパ、中東、アフリカ、南米…いろんな文化が日常にとけ込んでいます。カナダの学校では、生徒の出身や宗教、文化に合わせて、いろんなイベントや配慮がされているんですよ。
・ユダヤ教の「ハヌカ」をお祝いする日
・イスラム教の「ラマダン」期間中は、お昼を別室で静かに過ごせるように配慮
・日本の「ヨーヨー釣り」や「浴衣体験」などをクラブ活動で体験する学校も!
こういうことが特別な行事ではなくて、学校の“ふつう”としてあるのがカナダ流。いろんな文化を持った友だちと当たり前に関わることで、お互いの違いが自然に理解されているんです。
日本の学校との違い
日本でも異文化体験の授業はあると思いますが、話を聞く限りどうしても「知識を学ぶ」形が多い気がしています。実際にクラスの中で文化の違いを「体感し」、その違いを「配慮・尊重」し、お互いに「共生することを考える」機会は、まだまだ少ないのではないでしょうか。

カナダの学校では・・・
・知識だけではなく「一緒に体験する」ことで理解を深める
・「違う文化」を特別扱いしない雰囲気
・教室に異文化のクラスメートが普通にいるので、違う文化がとても近い
みんな違って「当たり前」:カナダのインクルーシブな社会
LGBTQ+も当たり前
カナダでは、人種、宗教、性別、LGBTQ+、障がいの有無など、すべての「違い」を大切にする社会ができあがっています。カナダの小・中・高校では、性の多様性についての授業がしっかりあって、自分の性別や恋愛対象について日本よりも安心して話せる雰囲気があります。
日本と本当に違うなと思ったのは、授業の初日。英語では人を指す時に使う人称代名詞が he, sheと性別によって分かれますが、自分のことをどちらで呼んでほしいかを初日のクラスで先生やクラスメートにちゃんと伝えるのが普通です。

・トイレもジェンダーフリーの表示がある学校が多い
・先生も「多様性トレーニング」を受けて、生徒の個性にしっかり対応
公共サービスもインクルーシブ!
病院、市役所、学校などでは英語だけではなくて:
・中国語(北京語、広東語)
・韓国語
・パンジャブ語
・スペイン語
・日本語が対応している場所も!
こういった公共機関では自分の健康やステータスなど大切な情報を扱うため、言葉の壁で困ることが少なくなるよう通訳サービスもばっちりです。つまり国がそれだけの予算をきちんと割いている、ということでもありますね。
日本とちょっと比べてみよう
日本では「空気を読む」文化が強くて、人と違うことを言ったりすると浮いてしまうことがありますよね。協調性は社会をスムーズに動かす大切な力でもありますが、それが強制的だったりuncomfortableであると本末転倒。同じ文化の人たちだって、それぞれの家庭のルールが違ったり、方言が違ったり、得手不得手が違ってみんな一人ひとり違う人間のは当たり前なのに、日本にいるとなんだかそのことを忘れがちになりますよね。

・どんな人もできるだけ「自分らしく」いられる仕組みが社会にある
・自分の“違い”を隠さなくていいって最高
自分のルーツを話せるっていい:カナダのアイデンティティ教育
カナダの学生は、「自分がどこから来たのか」「どんなルーツを持っているか」に焦点を当てた授業を小学校や中学校から受けてきているので、自分の民族的アイデンティティを自然に語ることができます。
自己紹介に「ルーツ」が入る
学校の授業では
・「自分の家族の歴史」をテーマにした作文やプレゼン
・クラスで祖父母の国や言語をシェアする時間がある
「カナダ人」と「〇〇系(中国系、日系、インド系など)」という2つのアイデンティティを同時に持っている人がとても多いのがカナダ。バンクーバーに限っていうと、「〇〇系」がある人の方が多いほどです。
日本では自己紹介の時に「〇〇県出身です」と出身地を言うことがありますが、似たような感覚で、「〇〇語と△△語を話します」「親は(祖父母は)〇〇国から来ました」などと家族のルーツを盛り込むこともよーくあるんですよ。

カナダには・・・
・自分の価値観を話す練習ができる環境がある
・みんな違うことが“ふつう”
おわりに:カナダから日本のことももっと見えてくる
「海外に行く=日本を忘れて海外に染まる」って思ってる人がいたら、それは絶対違います。むしろ海外に出ることで「日本のいいところ」「改善したいところ」がクリアに見えてきたり、実体験できるんです。その気づきがあるからこそ、自分の意見を持てたり、新しいアイデアが生まれたりもします。そういった意味で、日本にいるだけでは得られないような広い視野を自分の中に養うこともできます。
これからの日本社会をより良くしていくのは、これからの世代である皆さんです。誰一人取り残されることなく、一人ひとりが尊重され意義のある人生を生きることができる、そんな社会を作るのも皆さんです。カナダに留学することで英語力だけではなく、人生の概念をぐるんっと変えるような、そんな体験をしてほしいと思っています。
今こそ、自分の目で世界を見に行きませんか?
そのために、カナダへの留学はとても有意義な一歩だと感じています。