先日、生徒さんの一人が「場所の説明をつけるときは、whereを使えばいいんでしょ?」と言ったので、「ちょっと待って!それ、実は大きな勘違いなんです」と慌てて説明することになりました。確かに感覚的には”where”を使いたくなる気持ちはわかるのですが、そうではない時もあるのです。今日はこの「場所だからwhereの落とし穴」について、しっかりお話ししたいと思います。

場所の後は “where”だけじゃない!?

まずはこちらを見てください。次の2つの文、どちらが正しいと思いますか?

A) This is the hotel where was built in 1920.
B) This is the hotel which was built in 1920.

「hotelは場所だから…Aのwhere?」と思いがちですが、実は正解はBのwhichなんです。
「なんで?hotelって場所でしょ?」と思ってしまいますよね。そう、そこが多くの人が引っかかる大きな落とし穴なんです。

英語学習で、こんなふうに覚えてしまってませんか?

  • 人 → who
  • 物 → which/that
  • 場所 → where
  • 時 → when

でも、これ、実は半分正解で半分間違いなんです。

正しくはこう:

基本は全部which/thatです!

え、でもwhereとかwhoも習ったよ・・・
そうですよね、ではどういう時にwhereになるのか。
以下、説明していきますね。

文章の中での「役割」を見極めよう

実は、❌「場所だからwhere」ではなく、⭕️「その場所が後ろの文章の中でどんな役割をしているか」が重要なんです。
どういうことかというと、後ろに続く文章の中で、その「場所」が主語になるのか目的語になるのか、はたまたどちらでもないのか。それを見極めることが必要なんですね。

ではまずは【主語】のパターン。
実際に具体例を見ていきましょう。

A building collapsed yesterday. (建物が昨日倒れた)
The building was very old. (その建物はとても古かった)

この場合”building”(建物)という言葉を見てみると、②の文章で【主語】になっていますね。

なので二つの文章を一つにまとめると、

The building [which was very old] collapsed yesterday.

となります。
例文をもう一つ見てみましょう。

The restaurant [that opened last month] is very popular.
(先月オープンしたレストランは、とても人気です。)

“that” opened last monthの”that”はレストランのこと。
“The restaurant” opened last month.→やっぱりここも主語ですね。なのでwhch/thatを使いましょう。

次は【目的語】のパターンです。
具体例を見ていきましょう。

① This is a museum.(これは美術館です)
② I visited the museum yesterday. (私は昨日その美術館に行きました)

この場合”museum”(美術館)は、②の文章で【目的語】になっていますね。

なので二つの文章を一つにまとめると、

This is the museum which I visited yesterday.

となります。
例文をもう一つ見てみましょう。

The cafe [that she recommended] was closed.
(彼女が推薦してくれたカフェは閉まっていた)

“that she recommended”の”that”はカフェのこと。
She recommended “the cafe”→ここも目的語なので、which/thatを使います。

ここからが本番:whereを使う時は…?

ここからが本題です!場所の説明をつける時whereを使うのは、じゃあ一体いつでしょうか?
答えは、

その場所が後ろの文章で**「どこで」という場所を表す**時だけです。
言い換えると、元の文章で「at the place」「in the place」「on the place」のような場所を表す部分になる時だけなのです。

① This is a cafe. (これはカフェです。)
② I met her at the cafe. (このカフェで彼女に会いました。)

2つ目の文章でカフェは主語ですか?→No.(主語は”I”)
目的語ですか?→No.(目的語は”her”)
「at the cafe」=「そのカフェで」と、その場所で誰がどうした、を表しているだけです。
ちなみにこういった部分を英語では【副詞(副詞句・副詞節)】と呼ぶのですが、

学校でこんなふうに習いましたか?
「場所を表すときはwhereだよ」は誤解がありますね。
詳しくは、「場所を表すときでも、その場所が後ろの文章で主語や目的語じゃなくて、『その場所で(主語)が〜する』と副詞で使われている場合のみwhereだよ」なんですね。
でも今の学校英語教育で、あまり習ってない・・・
そもそも「副詞」とかあまり知らない・・・
というわけで、めっちゃ簡単に言うと、

これでどうでしょう?ちょっとシンプルになりましたか?
では例文を見てみましょう。

The school is very famous.(その学校はとても有名です。)
② He works at the school.(彼はその学校で働いています。)

▶️ 「その学校で働いている」という意味なのでwhereを使って、
The school where he works is very famous.となります。

後ろの文章を作ってみて

  1. 「〜が」「〜を」の形になる → which/that
  2. 「〜で」「〜に」「〜から」の形になる → where

⚠️よくある間違いパターン

❌ The building where was damaged in the earthquake…
⭕ The building which was damaged in the earthquake…

The building 「建物」
< > was damaged 「その被害を受けた」
となるので、which/thatを使いますね。

❌ The museum where I visited…
⭕ The museum which I visited…

visitは「~を訪れる」という意味なので、
⭕️美術館を訪れる→which/that
❌美術館で訪れる→where

実際の会話で使ってみよう

A: “I love that coffee shop!”
B: “Which one?”

A: “The one < > opened last week.”

この場合「which/that」か「where」、どちらが入りますか?
oneはもちろん「restaurant」のこと。後ろの文章でレストランは、どういう意味になっているでしょうか?

「そのレストランが、先週オープンした」
▶️「レストランが」となっているので、< >に入るのは、which/thatになります!

“The one that opened last week.”
(先週オープンした、あのレストランだよ。)

A: “The one < > we had lunch yesterday.”

さて、今度はどうでしょう?
「そのレストランで、昨日ランチを食べた」
▶️今度は「レストランで」となっているので、この場合は< >にwhereが入りますね。

“The one where we had lunch yesterday.”
(昨日ランチを食べた、あのレストランだよ。)



さて、場所だからといって自動的にwhereを後ろにつけるわけではない、ということがわかりましたか?
文法の教科書ではこれを、
which/that =関係代名詞
where =関係副詞
という名称で説明していると思います。
説明の中にも、「主語や目的語の場合・・・」や「副詞節の場合・・・(私も上で書きましたね)」と書いていますが、なかなか難しいと思う方もおられるかもしれません。

要は、その場所が後ろの文章で、
「その場所が〜である」と言っているのか、
「その場所で(誰かが)〜する」と言っているのか、
ここが大きなポイントです。

日常の英会話の時にも、英検やIELTSなど英語の試験の際にも、実際に英語を話しているときにできるだけ簡単に考えられる方法を見つけて、練習してみてくださいね。理屈がわかったら、あとは練習あるのみです!

Focus Education Servicesでは、こういった「あー、そうだったのか!」という英語のポイントをできるだけわかりやすく説明しながら、「正しく話せる英語レッスン」を提供しています。英語学習でお困りのことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。


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