季節ごとの挨拶をマスター! 夏は“Stay hydrated!”


「Take care」は挨拶の言葉として万能ですが、ちょっと季節感を加えるだけでぐっとナチュラルで親しみやすい英語になります。季節に合わせて使われる挨拶や別れ際の言葉は、意外とバリエーション豊かです。夏は「Take care」ではなく「Stay hydrated」と声をかける人も増えます。これは単なる流行語ではなく、カナダの自然環境、気候、文化的背景が反映された生きた表現なのです。

この記事では、カナダの春・夏・秋・冬それぞれの挨拶表現を詳細に解説し、背景にあるカナダ人の思いや文化、単語の意味、使い方、例文も豊富に紹介するので、ぜひ英語学習や留学準備に役立ててください。

季節感と英語の挨拶

カナダは日本と同様に四季がはっきりしていますが、そのスケールや気候の極端さは地域ごとに大きく違います。寒冷地では冬が長く厳しい一方、夏は短くても暑く乾燥する地域もあります。こうした気候が、住む人の生活習慣、そして日常会話の表現にも影響を与えるのですね。

またカナダでの日常会話には「ちょっとした気遣い」を大事にする文化があります。季節の話題はスモールトークの鉄板で、「How are you?」に続けて「Beautiful day, isn’t it?」のような天気のコメントを添えることが多いのもその表れです。また「Take care」などの別れの挨拶も、そのままではなく季節や状況に応じてアレンジすることが自然です。

春の挨拶

カナダはとにかく国土が広いので、気候も地域差が大きいですが、一般に3月下旬〜5月にかけて雪解けが進み、花が咲き、日が長くなります。カナダの冬は日本に比べて長く感じますし、雨や雪でどんよりした日が続くので、春は「待ち焦がれた季節」として特別なんですね。

  • Happy Spring!
    • 直訳だと「春おめでとう」という意味。友人同士や知り合いへのカジュアルなメールや会話で使う。
    • 例文: Happy Spring! Finally some sun!
  • Enjoy the sunshine!
    • 冬の暗さの反動で、春の陽光をみんなで喜ぶ感覚。
    • 例文: See you tomorrow. Enjoy the sunshine!
  • Have a lovely spring!
    • メッセージカードなどで使う少しフォーマルな表現。

日本を含めおそらく多くの国の人にとって春は、「解放感」の季節。
バンクーバーでは街角のカフェやレストランのパティオ(テラス席)が再開し、外で食事をし始めます。

夏の挨拶

  • hydrate(動詞)=「水分を補給する」
  • hydrated(形容詞)=「水分が足りている、潤っている」
  • Stay hydrated=「水分を十分に取ってね」

カナダは緯度が高いので夏も比較的過ごしやすい地域が多いですが、ここ数年は気温が38度まで上がる夏日に見舞われています。ただ、アルバータ州やサスカチュワン州といった内陸の州では湿度が低く乾燥しているため、暑くても日本のような蒸し暑さではありません。
一方バンクーバーなど沿岸都市ではもともとクーラーがない家が多いため、猛暑日には屋内で熱中症になる人が増えます。図書館やコミュニティセンターといった公共の施設は空調が効いているため、猛暑日には一般の人に開放するところも多いです。
また夏こそカナダに住む人が「待ってました!」という季節。
雨や雪が多い長い冬にはなかなかどこにも行けないので、ここぞとばかりにBBQやボート遊び、キャンプなどのアウトドア活動を全力で楽しむ人が多いです。だからこそ、熱中症や日焼け、脱水症状への注意喚起を挨拶で入れたいですね。

  • 公共の安全メッセージ(市役所の張り紙やSNS)でも「Stay hydrated」「Keep cool」が使われる。
  • 友達同士、同僚、家族でも「Take care」の代わりに、季節感を出して「Stay hydrated」と言うことで「気をつけてね」「健康に気をつけてね」のニュアンスを込めることがありますよ。
  • Keep cool!
    • 「涼しくしてね」。猛暑日のときの気遣い。
  • Enjoy the summer!
    • シーズン通して使える。
  • Have fun in the sun!
    • リゾート旅行やキャンプに行く人へのフレンドリーなメッセージ。

秋の挨拶

  • Happy Thanksgiving!
    • 10月の第2月曜日がカナダの感謝祭。
    • 例文: Happy Thanksgiving! Have a wonderful weekend.
  • Enjoy the fall colours!
    • 「紅葉の美しさを楽しんでね。」
    • 例文: See you next week! Enjoy the fall colours!
  • Stay warm!
    • 寒さが増してくる時期の別れ際。
    • 例文: Okay, I’m heading home. Stay warm!

カナダの秋は、9〜11月。日本だと9月はまだ残暑厳しい日もありますが、カナダでは9月になると既に肌寒い日が増えていきます。紅葉が美しく山を彩り始め、ハロウィンやサンクスギビング(感謝祭)など季節イベントも多いです。
子どもたちは2ヶ月という長い夏休みを終えて、新学期・新学年で学校へ戻るのもこの時期。
10月になると一気にぐんっと気温が下がるので、日本からの留学生の中には風邪をひいたり体調を崩す人が増えますね。10月からは冬のジャケットが必要です。

冬の挨拶

  • Stay warm!
    • 直訳「暖かくしてね」。冬の鉄板フレーズ。
    • 例文: Bye! Stay warm!
  • Drive safe! / Drive safely!
    • 雪道や凍結を意識した別れ際の気遣い。
    • 例文: Okay, see you tomorrow. Drive safe!
  • Happy Holidays!
    • クリスマス前後の一般的な挨拶。
    • 例文: Happy Holidays! See you in January.

カナダの冬は地域により11月〜4月まで続きます。私は今年は5月まで冬のジャケットを着ていました。厳寒地ではマイナス30度になることもありますが、バンクーバーでの冬は通常、最高気温が3~5度、最低気温-3~2度くらいの間を行ったり来たりです。マイナス15度になる寒波も年に1〜2回ありますが、バンクーバーは基本的に日本の関東以北の冬と寒さの感覚はあまり変わりません。

いろいろなバージョンの挨拶を使う意味

Take care は一年中使えるオールラウンドな別れの挨拶ですが、季節や状況に応じて言葉を選べると自然ですね。
違った表現を使うというのは、「あなたの状況をちゃんと考えてますよ」という優しさのサインでもあると思うのです。紋切り型の挨拶だけではなく特別な言葉を使うことで、距離を縮められることもありますよ。

何語であれ、人との会話は「相手ありき」。

1️⃣ 相手の立場や状況を考える

2️⃣ 自分の言葉にアレンジ

そうすることで、教科書英語から抜け出したより自然でその場に合った会話にすることができるでしょう。
挨拶はただの言葉以上に「相手への思いやり」を伝えるツールなのですね。


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