AIを使って英語アップ！すぐに要約できる力を育てよう

英語でパッと説明する力を育成するのは難しいと思われがちですが、実はAIの力を借りて自己学習する方法があるんです。そこで今日は、「英語で情報をまとめるスキル」と「即座に英語を口に出す反射力」を向上させるための、実践的な練習法をご紹介します。
この練習法は、カナダへの移住や永住権を目指す方々が受験するCELPIP (Canadian English Language Proficiency Index Program) のスピーキングテストの一部である「写真描写（Describing a Scene）」セクションの対策としても、非常に有効ですよ。

英語で情報を「瞬間要約」する反射力を鍛える！
最強の練習法：写真描写のやり方
写真描写練習法の応用編：「情報要約」の練習

英語で情報を「瞬間要約」する反射力を鍛える！

日本語を挟んでしまう

英語学習者にとって大きな壁となるのが、「インプット」と「アウトプット」の間に「日本語で考える時間」が挟まってしまうことです。英語の情報を聞いたり読んだりした後「なるほど」と理解し、それを誰かに英語で伝えようとするとき、頭の中で、

英語を読む ▶️ 2. 日本語に訳す ▶️ 3. 日本語で要約を考える ▶️ 4. 英語に再構築する ▶️ 5. 英語を話す

というプロセスを踏んでいませんか？
この「日本語の介在」が、スピーキングの流暢さを妨げる最大の要因なのです。

写真描写練習法のスゴさ

英語スピーキングの練習をしているとよく、「日本語で考えないで！」とか「頭の中で翻訳しないで！」と言われますが、第一言語として既に日本語がこんなにも頭の中に入っている私たちが、【意図的に日本語で考えないようにすることができるのか？】
それって可能なのでしょうか・・・。

既に確立している思考言語を意図的にシャットオフすることは、至難の業

だと思うのです。
けれどもやはり、日本語を挟んでいるとどうしてもスピーキングスピードが遅くなるのは避けられない・・・。
そこで編み出したのが、

【Picture Description（写真描写法）】

という練習方法です。
写真を見て、見たものをそのまま英語に落とし込んでいきます。
例えば椅子の写真を見たら、「椅子」という日本語を出さずにすぐに “chair”と口に出す・・・少しずつスピードアップすることで、いつの間にか日本語を介さずに英語で話せる量が増えてきた生徒さんを、たくさん見てきました。

最強の練習法：写真描写のやり方

写真描写練習法：やってみよう！

ではこの写真で挑戦してみましょう。
まずは「誰が」「何をしているのか」を思いっきり簡単な表現で表してみましょう。

Three people are chatting.

が出てきたらオッケーです。
次に、この文章にもう少し詳細をつけていきます。
STEP 2: どんな人？
STEP 3: お互いの関係性は？
STEP 4: どこで？
STEP 5: 何を話しているんだろう？（ここは推測を入れます）

STEP 2: どんな人？
Three international people are chatting.
STEP 3: お互いの関係性は？
Three international classmates are chatting.
STEP 4: どこで？
Three international classmates are chatting at school.
Three international classmates are chatting in front of the lockers at university.
STEP 5: 何を話しているんだろう？（ここは推測を入れます）
Three international classmates are chatting in front of the lockers at university about their school project.

写真描写練習法：いつの間にか日本語を使わなくなる？

どうですか？
このようにゆっくり一つひとつのステップを踏みながら文章を長くしていく練習中に、日本語が頭の中に出てきましたか？
できるだけ写真をじっくりとみながら、言えることを付け足していく。知っている単語で表していく。
この練習を続けると、いつの間にか日本語を介さず、見たものをそのまま英語に落とし込むことができるようになる人が多いです。

せっかくなのでいくつか練習用の写真を出しておきますね。
一つずつ、ぜひ丁寧にトライしてみて下さい。
大切なのは、
・見たものをそのまま英語に落とし込む
・知らない単語、英語で言えないことは、「言わない」
・今の自分の英語力、単語力で言えることだけをまずは落とし込んでいく
ちなみに、「本当は言いたかったけど言い方を知らなかった・・・」という情報は、練習を終えた後で辞書で調べておきましょう。次はきっと言えるようになるはずです。

写真描写練習法の応用編：「情報要約」の練習

目標：日本語を挟まず英語で要約

この方法を応用して今度は、「情報を英語で要約」してみましょう。
英語で話す時には見たり聞いたり頭の中で想像したりする、様々な情報を口に乗せて伝えていきます。インプットした情報を頭の中で【日本語に変換してしまわない】ためにも、先ほど練習したように【情報をまず写真や映像化】してしまうという、という作戦なのです。
これにより思考プロセスから日本語を意図的に排除し、「英語で考えて、英語で話す」という反射的なスキルを育てます！

英文記事で実践練習！

STEP 1：記事を読む

まず皆さんの学習レベルに合った英文記事を一つ選び、通しで読みます。
例えば、
・英語のニュース記事
・興味のある分野のブログ
・TED Talkのスクリプト

そして最初の時点では、細部にこだわりすぎず、
記事のメインアイデア
それを支える主要な論点
を把握することに集中しましょう。

STEP ２：最初のパラグラフを画像化する

ここが最も効果的なステップです。
記事を読み終えたら、記事の最初のパラグラフ

AI画像生成ツールにインプットし、
「この内容を表す視覚的なイメージ」を生成

してもらいます。
教育にAIを入れることについて賛否両論がありますが、
私は「学習者がブラッシュアップすべきスキルを肩代わりする」ことには反対ですが（結局自分のスキルアップにならないから）、「学習者のスキルアップの助けになる」のであれば、どんどん使っていくべきだと思っています。

読んだ記事をすぐにまとめてみましょうーというのは母国語でも難しく、それを第二言語で…となるとやはり第一言語を挟んでしまいがちです。そこで使うのが、上述した【写真描写法】。

記事の最初のパラグラフには多くの場合、その記事全体のまとめが書いてあるので、この部分を【写真化】して、それを見ながら英語に落とし込む・・・という方法です。

使用するAIはご自分が慣れているもので良いと思いますが、画像生成をしてくれるものである必要があります。
私はよく、ChatGPTかClaudeにまずはプロンプトを作らせ、それをGeminiに入れて画像化してもらいます。もっと簡単にしたい場合は、最初からGeminiに「次の記事の内容をまとめた写真を作って下さい」というような指示とともに、本文をペーストするのもいいでしょう。

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English Article Text : “The rising cost of fuel and a growing awareness of environmental impact have led to a boom in urban cycling, transforming city commutes. However, this surge introduces significant safety concerns, especially at high-traffic intersections where cyclists often share narrow lanes with cars and buses. City planners must urgently address infrastructure gaps by creating dedicated, protected bike lanes and launching public awareness campaigns to ensure mutual respect between drivers and cyclists.”
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そしてGeminiが作った写真がこちら。
AIっぽさが断然残っているのは、練習用なので全く気にしなくていいと思います。

STEP 3：写真を見て「即座に」内容を描写・要約する

AIが生成した写真が準備できたらタイマーを30秒から1分でセットし、写真を見ながら、その写真が表す「記事の内容」を英語で要約して話し始めます。
難しいことを言うのではなく、あくまでも「間を空けずに話し続ける」ことが最優先です。

記事を一旦読んでいるので大きな内容はざっくり頭には入っていますね。
次に左の写真だけを見ながら、1→2→3の順番で目線を動かし、英語で「描写」していきましょう。