バンクーバーの冬は、11月末になると街中にクリスマスの装飾が灯り始めます。カナダでは日本のように12月25日だけがクリスマスではなく、11月下旬から1月初旬までがホリデーシーズン。この期間どこに行ってもクリスマスソングが流れています。そして多くのカナダ人が何気なく口ずさんでいるんです。
せっかくなのでこの季節に、クリスマスソングを歌って発音練習しませんか?今日は、なぜ歌が英語の発音向上に効果的なのか、そしてどのクリスマスソングがオススメなのかを、歌詞と動画も併せてご紹介いたします!
なぜ歌が発音練習に効くのか
リズムとイントネーションが自然に身につく
英語は日本語と違い、強弱のリズムがはっきりした言語です(英語特有のイントネーションについては『日本語話者のための英語イントネーションの習得法』をどうぞ!)。文章の中で強調する単語としない単語があり、この強弱のパターンが英語らしさを作り出します。歌は、このリズムが音楽のビートに乗っているため、自然と正しいリズムで発音する練習ができるのです。
音のつながり(リンキング)を体感できる
英語では、例えば「check it out」は「チェック・イット・アウト」ではなく「チェキラウト」のように、単語と単語をあまり切らずに繋げて読むことがあり、これをリンキングと言います。歌では、メロディーに合わせてこの音のつながりが強制的に起こるため、自然とリンキングの練習になるんです。
繰り返しが苦にならない
そして何より、発音の上達には反復練習が欠かせません。でも同じフレーズを何度も読み上げるのは、結構退屈なものですよね。それに対して歌なら、好きな曲を何度でも楽しく歌えます。気づいたら10回、20回と同じフレーズを発音していた、ということも珍しくありません。
声の出し方が変わる
最後はほんとに “Last but not least”ですが、本気で英語の歌の練習をすると、発音だけではなく英語の発声法の練習にもなるのです。日本語は口をあまり大きく開けずに話せる言語ですが、英語は口を開けたり閉じたり、顔の筋肉を積極的に使う言語です。歌を歌うとき私たちは自然と大きな声で、口をしっかり開けて発声しますよね。これが、英語に必要な口の動きと発声法の練習になるのです。
オススメのクリスマスソング5選
さぁ、ここまでいいことだらけな『歌で英語が上手くなる』練習法。やらないのはもったいない!
時に季節は冬。せっかくなので、カナダでもよく知られているクリスマスソングをいくつか練習してみませんか?他に好きな歌があればもちろんそれでも構いませんが、流行りの曲は流行に乗って消えていってしまうこともありますね。それに対してクリスマスソングは何年も何十年も同じものがほぼ毎年この時期に歌われます。一旦練習して覚えれば、今後何年も同じ曲を歌っていけますよ。
“We Wish You a Merry Christmas” 難易度:★★☆☆☆

定番中の定番。短いフレーズが繰り返されるので覚えやすく、初級者でも自信を持って歌えます。
・Christmasとmerryの/r/音、頑張って出してみましょう。
・wishの/w/音は、日本語の「う」よりも唇をグッとすぼめます。
歌詞と音源はこちら。
“Rudolph the Red-Nosed Reindeer” 難易度:★★★☆☆

日本でもお馴染みの『赤鼻のトナカイ』。実はこのトナカイさん、英語の歌ではちゃんと名前があるって知ってましたか?楽しいストーリー性のある歌詞で、子どもから大人まで人気の曲ですね。
歌詞と音源はこちら。
“Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!” 難易度:★★★☆☆

少し早いテンポですが、短いフレーズの繰り返しが多く、リズム感を養うのに最適です。
・“snow” は「スノー」ではなく「スノウ」。口を丸くして/ou/と二重母音で発音します。
・”let it”はリンキングを効かせて、「レディット」のように歌えるといいですね。
歌詞と音源はこちら。
“Jingle Bell Rock” 難易度:★★★★☆

1950年代のロックンロール調のクリスマスソング。軽快なリズムとキャッチーなメロディーで、楽しく発音練習ができます。”jingle bell rock”の歌詞の部分はかなり音楽に乗って歌わなければならないので、英語のリズムの練習になります。
歌詞と音源はこちら。
“The Twelve Days of Christmas” 難易度:★★★★★

この曲はとにかく速い!そして繰り返しが多い!数字と名詞の練習に最適な、ユニークな構成の曲です。同じフレーズを何度も繰り返してどんどん長くなっていくので、記憶に定着しやすく、口の筋肉をつけることにも役立ちます。
歌詞と音源はこちら。
カナダのクリスマスシーズン🎄
バンクーバーでは12月になると、ダウンタウンのロブソンストリートやガスタウンが美しいイルミネーションで彩られます。
スタンレーパークでは毎年イルミネーションイベントが開催され、多くの家族連れで賑わいますよ。
カナダでは”Merry Christmas!”ではなく…
カナダではこの時期、メールやカードを送るときに「Merry Christmas」だけでなく「Happy Holidays」というフレーズもよく使われます。多文化社会のカナダでは、クリスマスを祝わない人も多いんですよね。ただ多くの人が長めのお休みに入る時期ではあるので、クリスマスを祝うことの有無に関わらず、「Happy Holidays」=「良い冬休みを!」というより包括的な挨拶をするんです。
また12月26日は「Boxing Day」と呼ばれ、大規模なセールが行われる日。日本で言うと「初売り」のようなもので、多くの人がショッピングを楽しみます。クリスマスソングは、この日まで街中で流れ続けていますよ。
