英語学習において多くの日本人が陥りがちな罠があります。それは、【日本語の表現をそのまま英語に直訳してしまう】ことです。一見正しそうに見える表現でも実際には不自然だったり、全く違う意味になってしまったりすることがあるのです。今日は、そんな「直訳の罠」について、実用的で目から鱗の例をいくつかご紹介します。

「部屋が汚い」は”My room is dirty”ではない!

最も一般的な間違いの一つが、この「汚い」の翻訳ですね。

“My room is dirty.”
“My room is messy.”

英語で”dirty”は「不潔」「汚れている」という意味で、一般的には泥や埃で汚れている状態を指します。泥遊びをした後の泥んこの手とか、土や埃にまみれた靴とかは、dirtyで表現できます。
一方”messy”は「散らかっている」「整理されていない」という意味です。日本語では「部屋が汚いから、入らないで!」と言いますが、この「汚い」は「整理整頓されていなくて物が散らかっている・片付けていない」という意味であれば、messyを使います。

英語で”dirty”は「不潔」「汚れている」という意味で、一般的には泥や埃で汚れている状態を指します。泥遊びをした後の泥んこの手とか、土や埃にまみれた靴とかは、dirtyで表現できます。
一方”messy”は「散らかっている」「整理されていない」という意味です。日本語では「部屋が汚いから、入らないで!」と言いますが、この「汚い」は「整理整頓されていなくて物が散らかっている・片付けていない」という意味であれば、messyを使います。

  • Dirty: 床にコーヒーをこぼした、壁に泥がついている
  • Messy: 服が脱ぎっぱなし、本やペンが散らかっている

「頑張って!」を”Fight!”と言ってはいけない理由

日本語の「頑張って!」はカタカナでもよく「ファイト!」と表現されることがありますが、これを英語でそのまま”Fight!”と言うと大変なことになります。

“Fight!”
“Good luck!” / “You can do it!” / “Hang in there!”

英語の”Fight!”は文字通り「戦え!」「喧嘩しろ!」という意味になってしまうんです。

  • 試験前の友人に:“Good luck on your exam!”
  • 疲れている人に:“Hang in there just a bit more!”
  • 挑戦する人に:“You can do it!”
  • スポーツの応援:“Go for it!”

「髪を切った」は英語で…?

美容院に髪を切りに行った後、友達に報告するときに「髪切ったんだよ」と言いますね。

“I cut my hair.”
“I got my hair cut.” / “I had my hair cut.”

“I cut my hair”と言うと「自分で髪を切った」という意味になってしまいます!実は髪を切るのがものすごく上手だった!?ということになりますね。そうではなくて美容院で美容師さんに「切ってもらった」という意味であれば、使役動詞のhaveなどを使って、”have my hair cut”(直訳:髪の毛を切った状態にしてもらう)と表現するのです。

ちなみに英語の使役動詞 make, have, letの簡単な使い分けについては、こちらのブログを参照して下さいね。

ヘアスタイル関連の表現:

  • 美容院に行った後: “I got my hair cut.”
  • カラーリングした時: “I had my hair colored.”
  • 自分で切った場合のみ: “I cut my own hair.” (この時だけ”I cut”を使用)

そのまま翻訳不可の「お疲れ様です」

日本語でよく使う「お疲れ様」は非常に便利な表現ですが、残念ながらそのまま英語に直訳することはできません。

“You are tired.”
状況に応じて様々な表現を使い分ける

「お疲れ様」は日本語独特の概念で、英語には直接対応する表現がありません。
でも仕事が終わった後、大きなプロジェクトが成功したとき、何か言いたいですよね。英語ではそんなとき、代わりに状況に応じて適切な表現を選ぶ必要があります。

仕事を終えた同僚に:

  • “Good work today!”
  • “Have a good evening!” “Have a good night.”

帰宅する人に:

  • “See you tomorrow!”
  • “Take care!”

努力した人に:

  • “Great job!”
  • “Well done!”

会議で:

  • “Thanks for your hard work.”
  • “That was productive.”

直訳の罠を避ける実践的なアドバイス

日本語でこう言うことでも、英語ではああ言う…同じことを伝えるにも表現の仕方が違うことは、言語間に多々あります。
重要なポイントは、言語は文化や思考パターンと密接に関連しているということです。これを踏まえて、より自然で伝わる英語を身につけるために、いくつかのポイントを紹介しますね。

言い方や表現を選ぶ時は、「誰に、いつ、どんな状況で」話しているかを常に意識してみましょう。同じ日本語でも例えば上述の「お疲れ様」のように、状況や文脈によって最適な英語表現が変わることもあるんですよ。

映画、ドラマ、YouTube動画、本などで、実際にどんな状況でどんな表現が使われているかを注意深く聞いてみましょう。映像を見ているとそこでどんな感情でどんなことを言っているのかがわかりやすいです。日本語だとその状況で何て言うだろうか?と考えてみましょう。仕事が終わってオフィスを去るときに日本語だったら「良い夜を!(Have a good evening!)」ではなく「お疲れ様!」と言いそうですね。その二つの表現が、マッチする表現、ということになるのです。

私もかなり長い間、この方法で継続学習してきています。
カナダに住んで英語を教えていると、直訳では通じないことを痛いほど知っているので、

「この日本語を英語でどう言うか」ではなく
「この状況の時に英語では何て言うか」

をたくさん知って蓄えておく必要があります。
映画やドラマはサッと流れて消えてしまうことが多いので、私はどちらかというと本に頼りました。それなら何度でも読み返すことができますしね。読んでいるとそれぞれのキャラクターがどんな性格で、どんなことを言いそうか・・・というのを想像することができるんです。

他には、日本語の漫画の英語版も結構好きですね。
自然な英語の言い回しなども、漫画から吸い取りました。

ご自分に合う方法で、ぜひ「直訳の罠」から少しずつ抜け出してみて下さいね。


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