大人っぽい丁寧な提案の仕方:wouldを使いこなそう!


“would”は丁寧に依頼や提案をする 「Would you please…?」で使う以外にも、実際の自然な会話ではいろいろな使い方がある一方、文法書では「If I were rich, I would buy a car.(もしお金持ちだったら、車を買うでしょう)」のような典型的な仮定法として紹介されることが多く、どう使っていいのかピンとこないことが多いですよね。
そこで今回は、より自然な英語を話したい方に向けて”would”:の実践的な使い方をご紹介します。特に、「相手への配慮」「経験に基づく推測」「意見の柔軟な表現」といった、大人の会話で頻繁に使われるwouldの用法に焦点を当てていきますよ!

控えめなアドバイス:「I would…」で大人な提案を

日本語で「私だったら〜するかな」と控えめにアドバイスをするとき、英語で「I would…」が使えるんです。
直接的すぎず、配慮のある表現としてとても自然に多用されているんですよ。

文法で仮定法を習った方は覚えておられると思いますが、wouldは”If I were you, I would …”というような形で使うことができます。「もし私があなただったら、〜するかなぁ」という意味になりますね。ここから、”I would …”だけでも(私だったら)〜するよ、という意味になり、間接的に相手にアドバイスをしているように聞こえるんです。

“I would start a business in Canada if I were you.”
(私だったら、カナダでビジネス始めるかなぁ。)

またこの”if I were you”というフレーズがなくても、そこに入っているかのような意味合いになります。
“I would probably talk to her directly about this.”
((私だったら)これについて彼女に直接話すかなぁ。)=「彼女に直接話したほうがいいんじゃないかなぁ。」

“I would consider taking a different approach.”
((私だったら)違ったアプローチをとるかなぁ。)=「違ったアプローチを取ったほうがいいんじゃないかなぁ。」

こういった表現は、「〜すべき」と言うよりもはるかに柔らかて相手に選択の余地を与え【大人らしい言い回し】になるんです。直訳すると「私だったら〜するだろう」となりますが、実際のニュアンスは「〜してみてはどう?」「〜するのも一つの手かもしれませんね」といった控えめな提案になるんですね。

A: “I’m thinking about starting a new career, but I’m not sure where.”
B: “Well, I would start with researching growing industries. I would probably also consider the current skills and see how they might transfer.”

この会話では、Bさんが「私だったら」という視点で、押し付けがましくないアドバイスを提供しているんですね。「should」や「must」を使うよりもずっと自然で、相手が受け入れやすい表現になっています。

経験に基づく推測:「He would know that.」

二つ目の使い方は、相手のことをよく知っているからこそ言える推測や期待を表現するときです。
単なる推測ではなく、その人の性格や能力、習慣に基づいた「きっと〜するはず」という確信に近い推測なんですね。

“He would know that – he’s been working in IT for 15 years.”
(彼なら知っているはずよ。IT業界で15年働いているんだから)

“She would remember your birthday. She never forgets important dates.”
(彼女ならあなたの誕生日を覚えているはず。大切な日を忘れることはないから)

“Tom would never say something like that. He’s too polite.”
(トムがそんなことを言うはずがない。彼は礼儀正しすぎるくらい正しいから。)

“Maria would help you if you asked. She’s always willing to lend a hand.”
(頼めばマリアが助けてくれるはず。いつでも手を貸してくれるから。)


日本語では「〜はずだ」「〜だろう」と表現することが多いのですが、英語のwouldには「その人をよく知っているからこそ言える」という親密さや信頼関係が含まれています。単なる推測以上の、相手への理解と信頼が込められた表現なのです。

習慣的な行動の描写:過去の「よくやったこと」

三つ目は、過去の習慣的な行動を表現する時です。これは以前にブログで紹介した「used to」と似た機能なんですが、より鮮明で具体的な記憶を呼び起こすときに使われることが多いです。

“When I was a child, my grandmother would tell me stories every night.”
(子どもの頃、祖母は毎晩私に話を聞かせてくれたものです。)

“He would always arrive exactly at 9am, never a minute late.”
(彼はいつもちょうど午前9時に到着してて、一分も遅れることはありませんでした。)

「used to」が一般的な過去の状態や習慣を表すのに対し、
wouldはより感情的で、【特定の記憶に結びついた習慣的行動】(〜してたものだ、といったニュアンス)を表現します。

意見の柔軟な表現:「I would say…」

四つ目は、自分の意見を断定的ではなく柔軟に表現する際の、wouldの使い方をご紹介します。

“I would say this is our best option.”
(これが最良の選択肢だと思います)
“I would argue that quality is more important than speed.”
(スピードより品質の方が重要だと私は考えます)
“I would suggest starting with a small pilot program.”
(小規模なパイロットプログラムから始めることをお勧めします)

これらの表現は、自分の意見に確信を持ちながらも他の意見にも配慮するというニュアンスがあるので、”I think…”よりも間接的で大人っぽい表現方法です。

実際の会話を見てみよう!

では以下の対話例で、wouldの自然な使い方を確認してみましょう!

A: I’m thinking about leaving my current job, but I’m worried about the risks.

B: If I were in your situation, I would probably start with updating my resume and networking quietly. John would know about opportunities in your field – he would be a good person to talk to. I would say timing is important, so I wouldn’t rush into anything.”

この短い対話の中でBさんは、
・アドバイスとしての「I would」
・相手の能力に基づく推測
・意見の柔軟な表現
を使って、大人らしい、押し付けがましくないアドバイスをしていますね。

このように”would”は、控えめな表現や経験に基づく推測など、大人らしいコミュニケーションに欠かせない表現ツールです。特に英語学習者の英語は、実際にこちらで話すと大変「直接的」で時に「ぶっきらぼう」「決めつけているように」聞こえることもあります。一方的上記のような直接的すぎない表現は非常に親和性が高く、身につけることで英語でのコミュニケーション能力は大幅に向上するでしょう。

重要なのは、wouldの文法的な規則を覚えることよりも、

その背景にある「相手への配慮」や「控えめさ」といったニュアンスを理解する

ことだと思います。
日常会話の中で意識的にwouldを使い、段階的にその使い方の幅を広げていくことで、中級レベルから脱却しましょう!


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