「腰が痛い」を英語で言うとき、”My back hurts” と “My back is injured” のどちらが正しいでしょうか?実は、この選択によって相手に伝わる印象が大きく変わります。今日は、多くの日本人学習者が迷う「hurt」と「injure」、そして「get hurt」と「be hurt」の違いを、実用的な例とともに完全解説します。
「hurt」と「injure」の基本的な違い
hurt = 日常の万能表現
日本語の「痛い」「傷つく」にほぼ対応する、最も使いやすい単語で、日常会話では圧倒的にこちらが使われることが多いですね。
✅ こんな時に使います:
・My head hurts this morning. (今朝、頭が痛いんです)
→ 普通の頭痛。薬を飲めば治りそう
・I hurt my finger while cooking yesterday. (昨日料理中に指を痛めました)
→ 軽い切り傷や火傷。日常的な出来事
⚠️そして、感情的な痛みも表現できる、というのが最大の特徴です!
・Your criticism really hurt me. (あなたの批判は本当に私を傷つけた)
→ 精神的ダメージ。injureでは表現不可です。
injure = 医療・事故の専門表現
ニュースや医師の口から聞く、よりフォーマルで具体的な単語です。
・身体的損傷のみ(感情には使えません)
・外的な力や事故が原因
・医療的・法的文書でよく見る
・より深刻な印象を与える
という特徴があります。
✅ こんな時に使います:
・Three people were injured in the crash. (事故で3人が負傷しました)
→ 病院搬送レベルの怪我
・The soccer player injured his knee during practice.(そのサッカー選手は練習中に膝を痛めた)
→ 専門的治療が必要な、外的怪我
・He injured his back lifting heavy machinery.(重機を持ち上げて背中を痛めた)
→ 労災認定される可能性のある怪我
同じ状況でも、ニュアンスが変わる!
例えば、階段から落ちて足首を痛めた場合。
友達との会話:
"I hurt my ankle falling down the stairs."
(階段から落ちて足首を痛めちゃった)
医師への報告:
"I injured my ankle falling down the stairs."
(階段から落ちて足首を負傷しました)
どちらも文法的に正しいですが、与える印象が違いますね。
一目でわかる使い分け表
状況 | hurt | injure | 使い分け |
頭痛・腹痛 | ★★★ | ❌ | 外から見えない内的な痛みはhurt |
軽い擦り傷 | ★★★ | ★ | 日常会話ならhurtでオッケー |
交通事故 | ★★ | ★★★ | 第三者への報告、保険請求時、 深刻さを強調するならinjure |
慢性的な痛み | ★★★ | ★★ | 症状はhurt、 起こった時の状態はinjure |
感情的な痛み | ★★★ | ❌ | injureは物理的な怪我や傷のみ 心の傷、失恋などはhurt |
「be」と「get」の黄金ルール
be = 状態の継続(〜である)
「今現在、その状態にある」と、状態・状況を表すのがbe動詞です。
例えば病院のベッドに横たわっている患者さんを想像してください。既に怪我をしていて、その状態が続いています。
- He is hurt and needs medical attention.
(彼は怪我をしていて医療措置が必要だ)
→ 現在怪我をしている状態
- They are married and have three children.
(彼らは結婚していて、3人の子供がいる)
→ 現在既婚状態
- She is tired after the long flight.
(長時間のフライト後で疲れている)
→ 現在疲れている状態
get = 変化の瞬間(〜になる)
「今まではそうじゃなかったけど、そうなった」と、なった瞬間を表すのがgetです。
例えばアクション映画を想像してください。主人公が敵と戦っている最中に怪我をする瞬間です。
- I got hurt when I fell off my bike.
(自転車から落ちた時に怪我をした)
→ 落ちた瞬間に状態が変わった
- They got married last weekend.
(先週末に結婚した)
→ 独身から既婚に状態が変わった
- He got angry when he heard the news.
(そのニュースを聞いて怒った)
→ 普通の状態から怒った状態に変化
実際の会話を見てみよう
医師: "How did you get hurt?"
患者: "I got hurt playing basketball yesterday."
医師: "I see. Are you still hurt?"
患者: "Yes, I'm hurt. It's difficult to walk."
では練習してみよう!
- A: What’s wrong with you?
B: My tooth really _____.
(hurts / injures) - The news said that ten people were _____ in the earthquake.
(hurt / injured) - Don’t touch that knife! You might _____ yourself.
(hurt / injure) - A: Why are you limping?
B: I _____ _____ while playing soccer this morning.
(got hurt / am hurt) - A: Can you help me move this table?
B: Sorry, I _____ _____ and can’t lift heavy things.
(got hurt / am hurt)
解答:
hurts, injured, hurt, got hurt, am hurt
旅行中、留学中、移民として生活する中で、痛みを正しく表現することは大切です。
きちんと伝えることができると、正しい治療を受けやすくもなります。
hurtとinjureの違い、ぜひマスターして下さいね。