「そこで私が『レストランに行こう!』って言ったんです。」「そしたら友達が『いいよ!』って言ったんです」ーーこういった説明をしている方、これは【直接話法】と言って、実際の会話で大人は実はあまり使わないんです。
今日は【直接話法】と【間接話法】の違いを分かりやすく説明して、簡単な変換方法もお教えします。これで、子供っぽい英語から卒業しましょう!
まず、直接話法と間接話法って何?
直接話法:話した言葉を吹き出しのまま再現
まず【直接話法】とは、誰かが実際に話した言葉をそのまま引用符(” “)で囲んで表現する方法です。まるでその場にいるかのような臨場感を演出できます。
例文1: Tom said, “I’m going to study English tonight.” (トムは「今夜、英語の勉強をするつもりだ」と言いました。)
例文2: She asked, “What time will the movie start?” (彼女は「映画は何時に始まりますか?」と聞きました。)
例文3: My mother said, “Don’t forget to call me!” (母は「私に電話するのを忘れないで!」と言いました。)
読んでいて、話し手の感情や口調がそのまま伝わってきませんか?これが直接話法の魅力なので、本を読んでいるとよく使われる話法だと言えますね。
間接話法:第三者の視点から客観的に報告
一方間接話法とは、話された内容を第三者の視点から客観的に報告する方法です。なので引用符は使わず、その時の事実を整理して伝えます。
例文1: Tom said that he was going to study English that night. (トムは、その夜英語の勉強をするつもりだと言いました。)
例文2: She asked what time the movie would start. (彼女は映画が何時に始まるか聞きました。)
例文3: My mother told me not to forget to call her. (母は私に、彼女に電話するのを忘れないようにと言いました。)
同じ内容ですが、感情的な部分が抑えられて、事実だけが客観的に伝えるというのが特徴です。
間接話法のススメ
「昨日こういうことがあったんだ」
「先日◯◯さんがこう言ってたよ」
のように、以前に誰がか言ったことを別の人に報告する場面って、結構よくありますよね。
大人の場合は基本的には【間接話法】で表現するのが一般的です。
直接話法でも文法的だし決して間違いではありません。
ただニュアンス的には、子どもが日記を読んでいるような雰囲気に聞こえます。
スピーキングの時にパッと間接話法を出すのは難しいので、ぜひ一緒に練習してみましょう!
間接話法の基本ルール
直接話法から間接話法に変えるには、いくつか変えなければならない箇所があります。代表的には次の4つです。
1. 時制
2. 人称代名詞
3. 時と場所
4. 疑問文
1)時制
メインの動詞が過去形で、that以下の従属節の時制が現在形だったら、過去形にシフトします。
メインの動詞が過去形で、that以下の従属節の時制も過去形だったら、過去完了形にシフトします。
つまり、that以下の動詞の時制は、直接話法の時よりも【一つ過去にシフト】する必要があるんです。
①現在形→②過去形→③過去完了形(大過去)
【①現在形 →② 過去形】
直接話法: He said, “I work at a hospital.”
間接話法: He said that he worked at a hospital.
直接話法の時、” “内の動詞は現在形(work)でしたが、間接話法に変換したら、メインの動詞(said)が過去形なのでそれに合わせてworkも過去形になります。
【②過去形 →③ 過去完了形】
直接話法: She said, “I visited Kyoto last month.”
間接話法: She said that she had visited Kyoto the previous month.
では完了形の場合はどうなるでしょうか?
こちらも同様に、「現在」完了形なら「過去」完了形にシフトするんですね。
【現在完了形 → 過去完了形】
直接話法: They said, “We have completed the project.”
間接話法: They said that they had completed the project.
未来を表すwillの場合は、その過去形であるwouldに形を変えます。
【will → would】
直接話法: He said, “I will help you.”
間接話法: He said that he would help me.
その他の助動詞の変化
- can → could
- may → might
- must → had to
- should → should(変化なし)
- would → would(変化なし)
直接話法: “I can speak Japanese,” she said.
間接話法: She said that she could speak Japanese.
2)人称の変化 〜「誰が誰について話しているか」を整理〜
次に間接話法では、話し手の視点に合わせて人称代名詞を変更する必要があります。
直接話法: John said to me, “I will help you with your homework.”
間接話法: John told me that he would help me with my homework.
直接話法でジョンが言った言葉、「僕が君の宿題を手伝うよ」の、「僕」と「君」が『話し手である自分から見て誰のことを指すか』を考えないといけないんですね。ここでの「僕」は「ジョン」のこと。私から見るとheです。そして宿題を手伝う相手の「君」とはまさに「私自身」のこと。なのでmeとなります。
これは最初は混乱しがちですが、「誰が誰について話しているか」「そのI, you, she, he, theyとは一体誰のことか」を落ち着いて整理すれば大丈夫です!
3)時間・場所表現の変化 〜「基準点の移動」〜
そして間接話法では、時間と場所の基準点が変わります。誰かが言った段階で「明日」と言った日は、そのことを報告している今日を基準にすると一体いつのことになるでしょうか?
このように、【話された時点】から【報告する時】に基準を移して、それがいつのことかを言い換える必要があるんですね。
時間表現の変化:
- today → that day
- tomorrow → the next day / the following day
- yesterday → the previous day / the day before
- next week → the following week
- last week → the previous week / the week before
- now → then
- ago → before
場所表現の変化:
- here → there
- this → that
- these → those
直接話法: She said, “I’m leaving here tomorrow.”
(彼女は「明日、ここを出るわ」と言った。)
間接話法: She said that she was leaving there the next day.
(彼女は、その翌日にその場を出ると言った。)
⭐️覚え方のコツ: 話し手の立場に立って、時間や場所を考え直してみましょう!
4)疑問文の変換 〜質問の報告方法〜
Yes/No で答える疑問文は、”if” または “whether” を使って変換します。
直接話法: He asked, “Are you coming to the party?”
間接話法: He asked if I was coming to the party.
直接話法: She asked, “Do you like sushi?”
間接話法: She asked whether I liked sushi.
疑問詞(what, where, when, why, who, how)を使った疑問文の場合は、疑問詞をそのまま使い、
語順を平叙文の形に変更します。
そう。ここ大事なのでもう一度言いますね。
語順を、普通の順番に直すんです!✨✨
具体的に例文で見てみましょうね。
直接話法: He asked, “Why are you so late?”
間接話法: He asked why I was so late.
直接話法: They asked, “How long have you been studying English?”
間接話法: They asked how long I had been studying English.
上級テクニック
said以外に使える「報告動詞」
単純な “said” や “told” だけでなく様々な【報告動詞】を使うことで、より精密なニュアンスを表現できるんですよ。
感情を表す報告動詞:
complain(文句を言う):”The food is terrible,” he said. → He complained that the food was terrible.
boast(自慢する):”I got the highest score,” she said. → She boasted that she had got the highest score.
confess(告白する):”I made a mistake,” he said. → He confessed that he had made a mistake.
insist(主張する):”This is the right way,” she said. → She insisted that that was the right way.
whisper(ささやく):”Don’t tell anyone,” he said quietly. → He whispered that I shouldn’t tell anyone.
現在でも真実な内容の扱い
話された内容が現在でも事実である場合、時制を変更しない場合があります。
直接話法: The teacher said, “The sun rises in the east.”
間接話法: The teacher said that the sun rises in the east.
(一般的事実なので現在形のまま)
直接話法: He said, “I live in Tokyo.”
間接話法: He said that he lives/lived in Tokyo.
(現在も東京に住んでいるなら現在形、過去の話なら過去形)
ニュアンスの違い
感情の伝わり方
ではどういった時に直接話法、どういった時に間接話法を使うことが多いのでしょうか。
それは、それぞれの話法のニュアンスの違いによって使い分けます。
直接話法の場合: Mary shouted, “I can’t believe you forgot my birthday!”
間接話法の場合: Mary said that she couldn’t believe he had forgotten her birthday.
このように同じ内容でも、
・直接話法では Mary の怒りや失望がダイレクトに伝わりますが、
・間接話法では「そういう発言をした」という事実として冷静に報告されています。
どちらを選ぶかで、読み手の受ける印象が大きく変わるんです!
距離感の演出
また、今から伝えることを相手にどれくらいの臨場感を持って伝えたいか、によっても異なります。
直接話法: 読み手をその場に引き込む効果
間接話法: 客観的な距離を保つ効果
例えば友達に「昨日のデートどうだった?」と聞かれたとき…
直接話法で答える場合: “He said, ‘You look absolutely stunning tonight!’ I was so happy!” (彼が「今夜の君は本当に美しい!」って言ってくれたの!すごく嬉しかった!)
間接話法で答える場合: “He said that I looked stunning that night. It made me happy.” (彼がその夜私がすてきだったと言ってくれました。嬉しかったです。)
使われる場面の違い
これらを踏まえて、それぞれの話法がよく使われるのは以下のような場合です。
直接話法がよく使われる場面:
- 小説や物語(キャラクターの個性を表現)
- 日常会話(「彼がこう言ったんだよ!」という感じ)
- 感情を込めて伝えたいとき
- その場にいるような臨場感を出したいとき
間接話法がよく使われる場面:
・事実を整理して伝えるとき
・ニュース報道(客観性が重要)
・ビジネス文書(フォーマルな場面)
・学術論文(研究結果の報告)
お疲れさまでした!直接話法と間接話法の違いと変換方法、理解できましたか?
英語の直接話法と間接話法は、単なる文法のルールではありません。どのようにコミュニケーションしたいか、を体現してくれる大事な違いなんです。毎日少しずつでも意識して使ってみてくださいね。
きっと、英語表現がより自然で効果的になりますよ!